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Project KANA harmonise with infinity

 近年、日本と日本の文化には、世界中から多くの関心が寄せられています。ですが、海外の人々が日本の真の色彩と精神を実際に経験することはとても難しいことです。このことに気がついている日本人も少なからず存在しますが、相手の立場に立ってわかりやすく説明をしている日本人はどのくらい存在するでしょうか?元来、日本は島国であり、大陸の文化のように自然に共存共栄するものでなく、独自の文化として閉鎖的に発展してきました。これらのことが日本独特の道徳観を生み、特有の精神が育てられてきたと考えられます。しかしながらそのことが、日本の文化を表現することが不得意である原因にもなっています。国際的なステージには、日本人の成功例がたくさんありますが、彼らは自分の文化やアイデンティティを見せるだけではなく、環境に溶け込むことに集中しています。

 

 私の使用しているトランペットは、ルクセンブルグで作られています。製作者である加藤朋海氏のもとを調整のために訪れた時、西洋音楽で日本の精神を表現していくことが、日本、そして世界に私たちができる恩返しであるとお互い考えていることがわかりました。その後、私たちのアイディアは、2015年に録音された「Miyabi 雅」というCDで実現することになります。日本を代表する作曲家である櫛田先生は、組曲『俳諧』という素晴らしい曲を書いてくださいました。そしてこのProject KANAが本格的に動き出すことになるのです。

 

harmonise with infinityは、個々の精神が無限に宇宙に繋がっていくことを表しています。日本人の考え方は、神道、仏教、そして禅がベースになっています。人間、動物、植物、その他の生き物を区別しません。自分たちは大きな全体の一部であると信じ、すべての存在の中で一体感を探します。すべての生き物に敬意を払い、亡くなった人や生き物、使い古した物にも、あたかも神を崇拝しているかのように供養を施します。現実に存在しない、愛する人(物)たちとも心を通わせ、これらの神々が生活の保護者として日本の人々の道徳心を保っているのです。

 

 Project KANAでは、『Zen concert』としてこれらの日本の精神を海外の皆様に皆様の言葉でご紹介して参ります。また、日本国内では、忘れかけた古来の日本の心を皆様が再認識される機会『和の風景』としてお届けいたします。このプロジェクトが世界平和をもたらす活動のひとつとなることを願っております。

KANA(班目 加奈)

Project KANAトランペット奏者

[過去の演奏の記録]

Zen Concert

2017年4月27日Walferdance church (ルクセンブルク)

2017年4月30日Nittel church (ドイツ)

2017年5月2日Saar-Mosel-Winzersekt (ドイツ)

2019年3月2日 Meru Dome (イポー、マレーシア)

2019年3月3日 Penang Performing Art Centre (ペナン、マレーシア)

2019年10月18日 Kawaii Piano Gallery Dallas (テキサス、アメリカ合衆国)

2019年10月22日 Tarleton State University (テキサス、アメリカ合衆国)

2019年10月24日 McLennan Community College (テキサス、アメリカ合衆国)

2019年10月28日 Texas Christian University (テキサス、アメリカ合衆国)

 

和の風景

2018年9月 9日 ホテル・ザ・ウエストヒルズ・水戸(茨城県水戸市)

2018年10月20日 茨城県立県民文化センター小ホール

2018年10月27, 28日 正覚院(東京都江東区)

2019年11月20日 ブリックス・ホール(茨城県水戸市)

 

[録音]

Miyabi 雅 [CAFUA CACG-0254, 2016]

https://naxosjapan.lnk.to/CACG-0254

班目 加奈:トランペット

本荘 玲子:ピアノ

組曲『俳諧』:櫛田胅之扶

あかあかと 日はつれなくも 秋の風

夏草や つはものどもが 夢の跡

荒海や 佐渡に横ふ 天の川

こちらむけ 我もさびしき 秋の暮

秋の空:天野正道

間奏曲:福島弘和

ファンタジー:天野正道

雨情の童謡より あの町この町〜七つの子〜青い目の人形:本居長世、中山晋平/編曲:山里佐和子 

 

[作曲家:櫛田胅之扶]

1935年京都に生まれる。

京都教育大にて数学を専攻する傍ら、福本正氏に作曲を学ぶ。卒業後、中瀬古和氏、映画音楽作曲家高橋半氏に師事するとともに、グループ「創る会」に参加し、広く作曲活動を始める。邦楽の家に生まれ育ったという環境で、作風は伝統的な邦楽を基調にした日本的あるいは民族主義的な路線を徹底してとっている。

1981年全日本吹奏楽コンクールの課題曲『東北地方の民謡によるコラージュ』、同じく1994年の課題曲『雲のコラージュ』をはじめ、『火の伝説』『雪月花』『嵯峨野』『陽炎』『雲はその彩りをそえて』など多くの日本的な作品を数える。他にも、宗貞啓二、下地啓二、前田昌宏各氏のリサイタルのための作品、サクソフォン・アンサンブルの作品など、管楽器を中心とした作品が多く見られる。1995年第7回世界吹奏楽祭では『舞楽Ⅱ』が演奏される。

また、より広い作曲活動を求め、絵画・建築・写真・映像などの分野との一体化による、構造的芸術の創造を目指して取り組んでいる。作曲・編曲・指揮といった音楽分野を越えて、イヴェント・コーディネーターとして広く活躍している。

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